暗号通貨

仮想通貨の今後は?その可能性に満ちた未来について

ビットコインが史上最高値を更新し、注目が集まっている仮想通貨。
しかしその本質は最先端のテクノロジーが実現した驚きのシステムでした。
仮想通貨投資は今後伸びるのか?その疑問に答えていきたいと思います。

そもそも仮想通貨とは?

仮想通貨とは電子上でのデータのみで送金/受取が可能な通貨です。その多くには主体となる管理者が存在しておらず、ブロックチェーンと呼ばれる技術を使い、参加者全員がお互いを監視する形で公正な取引を実現しようとしています。

どうしても投資のイメージが強い仮想通貨ですが、多くの仮想通貨は投資とは別の目的を持って設計されています。どういった点が特徴なのかご説明したいと思います。

個人間での送金が世界中で可能

仮想通貨は相手のアドレスを知っていれば、銀行等を介した場合と比べて極めて低い手数料で、なおかつ数十分という短い時間で送ることが可能です。

仮に国外に住む子供へ仕送りをする場合でも、銀行を介した場合では目的の審査等で数日かかることがあります。

普及すれば世界中で利用できるようになる

仮想通貨はインターネット上に存在しているため、(国家によって禁じられていなければ)世界中からアクセスが可能です。つまりお店側がOKと言えば、世界中で決済手段として使える可能性があるということです。仮に実現すれば、海外旅行に行った際に高額な外貨両替手数料を取られることはなくなるでしょう。

またクレジットカード決済は、お店側が一定の割合を利用料としてカード会社に納めていますが、仮想通貨決済が実現すれば、より低い手数料でキャッシュレス決済が実現できると思われます。飲食店であればカード決済に売上の約5%が手数料として支払われていますので、その部分をコストカットできるのはメリットが大きいです。

不安定な通貨を持つ人々の逃げ場として

日本にいると意識しにくいですが、国家や銀行を信用できない地域に住まう人は、世界中にいます。例えば経済危機に直面するベネズエラでは、仮想通貨が急速に普及しました。

ハイパーインフレが進行したベネズエラ。法定通貨であるボリバルの価値が急激に下落しました。外貨の入手が難しいベネズエラ国民にとって、自らの資産を守るためにビットコインを購入することは当然の選択でした。2020年6月時点で、ベネズエラはビットコイン取引額が世界で3番目に多い国になっています。またベネズエラ国外に脱出した親族からの送金時にも、上記①②の理由からビットコイン等の仮想通貨は有効に機能しています。

イラクの法定通貨であるディナールのように、戦争等が発生することで紙幣が紙切れになってしまうこともあります。そういったリスクを踏まえ、様々な国に住まう人々が仮想通貨に資産を分散しています。

代表格であるビットコインの時価総額は既に一兆ドルを上回っており、今後も『投資以外の側面から』仮想通貨は普及していく可能性が高いと思われます。そして保有する人が増えれば、仮想通貨の価格は上昇します。

イーサリアムが提示した可能性-スマートコントラクト

発行量第2位の仮想通貨であるイーサリアム、ビットコインと同じくブロックチェーン技術を使って「誰が、誰に、いつ、いくら支払った」ということを記録することで通貨として機能しています。ビットコインのブロックチェーンではこの要素を「改ざん出来ない形」で記録することが発明でしたが、イーサリアムはさらにその先を提示します。

イーサリアムは実は通貨の名前ではなく、本来はアプリケーションの名前です。そのため通貨としての機能以外にも、様々なプログラムを実行することが可能です。その中の一つにスマートコントラクトと呼ばれる技術があります。

スマートコントラクトは書面の契約やサービスの売買を、「改ざんできない形」で記録することが出来ます。そのため単なる仮想通貨の受け渡しを超えたプラットフォームとしてイーサリアムが機能する可能性があります。イーサリアム(というアプリケーション)を使って各種手続きを行うことで、銀行であれば約200億ドルのコスト削減が可能であると言われており、今後ビジネスでの普及が見込まれます。

そしてプラットフォームとしてイーサリアムが普及していく中で、「仮想通貨としてのイーサリアム」も広まっていくと考えられています。

このように仮想通貨の世界は日々進歩しており、ビットコインのような古い仮想通貨を超えるものが出てきた場合には、急激に普及し、今のビジネスのあり方を根本から変えてしまう可能性すら秘めています。

企業・機関の参入により更なる拡大が見込まれる

上記4つの理由から、仮想通貨はよりその存在感を高めつつあります。またこれまでは個人レベルで行われてきた仮想通貨の保有が、企業・機関レベルに広がりつつあります。2021年4月に米モルガン・スタンレーは投資家から資金を集め、ビットコインに投資するファンドを組成しました。また米電気自動車メーカーのテスラは、投資戦略として仮想通貨を保有する半面、自社商品をビットコインで購入できるようにしました(実際に購入した人がいるのかは不明です)。

おわりに

これまでとは違うレベルで、主に企業が主導する形での仮想通貨の普及と認知拡大が始まりつつあります。例えば特定の仮想通貨が企業の決済手段となる場合には、その通貨に注目が集まり、相場が急上昇するような流れも続いています。各国の規制とのせめぎ合いになるでしょうが、上述した仮想通貨の可能性に満ちた特徴から言えば、普及を妨げることは難しいと思います。

テクノロジーの発展により、主役がビットコインから別の通貨へと移り変わっていくことはあっても、仮想通貨そのものやその根幹を成すブロックチェーン技術は、今後も伸びていく可能性が高いと言えるのではないでしょうか。