「仮想通貨ってなんですか？」と聞かれて答えられる人は意外と少ないんじゃないでしょうか。今回は仮想通貨の「利便性」に注目して、その特徴を学んでいきましょう。
■仮想通貨とは
仮想通貨とはデジタル上にだけ存在する通貨(お金)のことで、暗号通貨とも呼ばれます。代表的なものはビットコインやイーサリアムですが、今や2,000種類以上あると言われています。
円やドルなど、私たちが日常的に使っている法定通貨と異なる新時代の支払い手段です。一体どういった点で仮想通貨は円やドルより便利なのでしょうか。
■仮想通貨は送金を24時間、世界中に行える
仮想通貨は円に比べ、送金を簡単に行うことが出来ます。例えば自分の銀行口座に入っているお金を友人に送るとします。もしその手続きをしたタイミングで銀行がすでに営業時間を終了していたら、送金は翌日になってしまいますよね。 でも仮想通貨であれば24時間、いつでも送金することが可能です。またビットコインであれば約30分で送ることが出来ますし、主要通貨の一つであるリップルというコインであれば(公式の発表では)数秒で送ることが出来るということです。
また海外へも上記の時間で送ることが出来るので、非常に革命的だと思います。
■仮想通貨は送金手数料も安い
銀行は上記の送金を行うために、スタッフを雇い、店舗を設け、ATMを設置するなど様々なコストを払っています。そのコストは送金を依頼したお客が送金手数料という形で負担しているのです。しかし仮想通貨は主要な管理者がいないため、店舗などを持っていません。そのため非常に安い送金手数料で送ることが出来るのです。 特に海外送金であれば、通常の送金手数料の他に渡す側と受け取る側で海外送金にかかる手数料が発生したり、国際送金ネットワークを利用するために別途コストが必要になったり、かなり手数料がかかります。仮想通貨であればそういった事態を防げるため、非常にスピーディーに世界中へ送金を行うことが出来ます。
■資産を守れる可能性がある
円やドルなどの法定通貨は非常に安定しているように見えますが、実は日々その価値が移り変わっています。昔は60円で買えていたマクドナルドのハンバーガーが100円になっていますが、これは円の価値が下がっているということです。60円で買えたものが買えなくなったことと同じように、100円で買えるハンバーガーが買えなくなる日も近いかもしれません。 通貨の価値は大きく動くこともあります。ロシアの法定通貨はルーブルと言いますが、2014年に１ドル=３０ルーブル程度だったレートは突如１ドル=60ルーブルまで下落しました。「30ルーブル出せば1ドルに交換できていたのに、突然60ルーブル出さないと1ドルに交換できない」というところまで急激に価値が下落したのです。これはロシアのウクライナへの軍事介入により、欧米諸国の経済制裁がもたらしたものだと言われています。 政治や経済に起因する様々な不況や、大災害、そしてウイルスなど様々な要因によって自分が普段使っている通貨は暴落する可能性があります。そういった時に一部の資産を仮想通貨に換えておくことで、一定額を暴落から守ることが出来るのです。これはある種の保険のようなものです。特に法定通貨のレートが不安定な地域では仮想通貨の普及率が高いため、こういった目的で仮想通貨を持たれている方も非常に多いと思われます。
■将来的には決済手段としても使える可能性がある
仮に仮想通貨がもっと普及してくれば、スーパーやコンビニなどで仮想通貨で決済が出来る時代が来るかもしれません。そうした場合には、海外旅行に行ったときに円から現地通貨へ両替する必要もなくなります。仮想通貨さえ持っていれば世界上で買い物が出来るようになるかもしれないのです。 両替手数料がかからなくなるだけでも、非常に大きなコストカットになりますし、それ以上に両替の手間がなくなることが大きいですよね。ただし現在は仮想通貨の値動きが非常に激しいため、決済手段としてはあまり機能していないというのが実情です。 仮想通貨で電気料金が支払えるサービスもありますし、ビックカメラでも100,000円までならビットコインで決済することが可能になっていますので、少しずつ使える場所は広がってきています。 またお店側としてもクレジットカード決済などでは一定の手数料を負担しているため、管理者がおらず手数料の安い仮想通貨が広まることはメリットが大きいのです。
■おわりに
仮想通貨は非常に便利な存在として、今後は日常にも進出してくる可能性があります。特に国際送金においては、既存の銀行業務のあり方を根本から覆しかねないほどのメリットが見受けられます。ただし仮想通貨は非常に値動きの激しい資産ですので、ご利用は自己責任にてよろしくお願いします。 仮想通貨が普及することにより、より安定的で高価値な資産として盤石の地位を築き上げていくことでしょう。高度なテクノロジーは時として世界のあり方を大きく変えてしまうことがあります。かつての車輪の発明や印刷技術の発達、蒸気機関やテレビの登場など、そういった大発明と同じような衝撃を、仮想通貨は与えてくれるのではないかと個人的には思っています。ぜひ今後の発展も気にかけてみてください。
